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『成し遂げる人の「1点集中力』 伊藤 真

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何かの資格を目指すときに、書籍で勉強法を参考したりしますよね。
書店には様々な勉強術の本がありますが、よく目にするのは「偏差値40からの公認会計士合格」とか「落ちこぼれだったのに、東大に合格しました」とかあるかと思います。そういう本を読んで感じるのは、日本において最高峰の資格というのは司法試験だということ。
そんな司法試験の分野において活躍をされている伊藤真氏の著書をご紹介します。

伊藤氏は東京大学在学中に司法試験合格、卒業後の1995年にご自身が講師も努める「伊藤塾」を開設。革新的な勉強法を導入し、司法試験合格者を多数輩出しています。
いったいどんな勉強をされて今の地位を確立したのでしょうか?

 

■■■目次■■■

第一章 「1点集中力」で、あらゆる限界を突破せよ
第二章 「仕事」が劇的にうまくいく
第三章 「勉強」の成果を最大限に引き出す
第四章 「1点集中力」を鍛えるトレーニング
第五章 夢をかなえる「1点集中力」


■■■ポイント■■■

【とにかく、自分の目指す「1点」にエネルギーを集中すること。それ以外は勇気を持って「捨てる」こと。】

①とにかく「1点」以外は捨てなさい
他のものを捨て、自分がやるべきこと「1点」に集中して、全力を尽くす。
その「1点集中力」が大きなエネルギーを生むのだ。その「捨てるもの」が大きければ大きいほど、「テコの原理」ではないが、より大きなものがつかめるだろう。P.27
⇒自分の本当に欲しいものに集中をして、それにひたすら取り組む。そうすれば大きな見返るを得ることができるということですね。私も何かがきっかけで、資格取得を考えて取り組んだりするのですが、なかなか継続や集中ができないんです。それは、その「1点」以外を捨てる程のモチベーションが無いからなんでしょうか。逆にいうと、それほどまでに強い気持ちを持てるようなものが見つかると人間はものすごい力を発揮できるということですね。

 

②「もう限界」と思ったときが限界突破のチャンス
本当に自分が成長しようと思ったら、自分の許容範囲の中でのんびりやっていたのではダメだ。自分の許容量を超える「負荷」をかけなければ、人は限界の枠を突破していくことができない。P.54
⇒仕事をしていると、前はいっぱいいっぱいでやっていた仕事が、気づいたらあっという間に簡単に片付けられるようになっていた、という経験がある方もいるかと思います。少しニュアンスは変わるかもしれませんが、それに近いことではないでしょうか?忙しいときに、上司からさらに仕事を与えられると、「ちゃんと考えて仕事を振ってくれ」と思いがちですが、考えようによっては、「自分を成長させてくれるきっかけを与えてくれてありがとうございます」と感謝しなければならないのかもしれませんね。

 

③勉強の成果が出る人はここが違う
膨大な情報の中の最も基本となる部分をしっかり身につけることができなければ、全体の修得には程遠いということ。基本に集中できなければ、応用もできない。手を広げすぎると、結局うまくいかない。P.82
⇒具体的な勉強法に言及しています。他の勉強本でもいわれることですが、「教科書はなるべく薄いものを選べ」ということに通ずると思います。そして、合格に必要な最低限の情報を網羅した教科書を何回も繰り返すというものですね。
実際、一般的な試験の合格点は60~70点くらいだそうです。全体の20~30%は難問や奇問で、普通の受験生では解くことが困難で、逆に言うと捨ててもいい問題。その代わり、残りの基本~勉強可能な応用問題でしっかりと得点を重ねていく。だから基本を大事にしようということですね。
難関資格だと、覚える量が膨大で心が折れそうになることが多々ありますよね。こういう考え方を持っておくと、割り切ることができて気持ちが楽になりますね。

 

④時間の制約があるほうが、有利になる。
仕事でも勉強でも、締め切りがなく、いつまでもダラダラと続けていたら、いい結果が出せるだろうか。P.89
時間制限を自らに課さないと、集中できない。いつまでにこの問題を何題解くと具体的に決めてこそ、「1点集中力」も発揮できる。時間や締め切りの制約があるからこそ、いい結果が生まれるのだ。P.90
⇒「レポートの締め切りが明日まで」とか「明日大事なプレゼンがあるのに、資料が全然できていない」とか、そういうときに時間を忘れてものすごい集中力を発揮して、完成度の高いものが出来上がったという経験をされた方も多いかと思います。それは締め切りがあったからというのが一つの大きな要因なんですね。
その締め切り効果を、自ら制限時間を設定することで発揮させようというものです。確かに制限時間がないと、ついついダラダラと関係ないことに目がいったり、重要性の低い業務に取り組んでみたりしてしまうことがあります。そういうときに、「この仕事は30分で終える!」と自ら課してやることは有用性があると思います。


■■■所見■■■

伊藤氏は司法試験向けの受験校を主宰していることもあり、勉強法は具体的で非常にためになりました。
個人的には、勉強法以外でも人生論もありいろいろな示唆がありとてもためになりました。

心に響いた文章を最後にご紹介したいと思います。

桜は、今年は開花が早いとか、人間にいろいろいわれる。だが、何があろうと、桜は自分のペースで花をつけ、そして散っていく。周りの評価などとはまったく無関係に、淡々と花をつけ、次の世代に引き継いで散っていく。
人間が桜を見て、どう思おうと、そんなことは桜にとってはどうでもいいことだ。誰も見ていないときから、桜にとって必要なことを一年かけて、淡々とこなしてきただけなのである。
 
私たちが生きることもこれに似ていると感じる。

周りの評価を期待して生きようとすると苦しくなる。自分の本当の役割を見失うかもしれない。
今、ここに命があり、それが続いているだけですごいことなのだ。

だからやはり、「1点集中」して、淡々と、しっかりと生きていくことが大事なのではないだろうか。P.165-166


勉強法を超え、仕事術や人生論まで学べる本です。
ぜひ読んでみてください!