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ダメ出しを仕事に活かすための3つの考え方

『ダメ出しの力』 繁桝 江里

仕事でも家庭でも、誰かにダメ出しをするというのは難しいものです。ダメ出しをしたいことがあっても、その後の関係がギクシャクしてしまうのを恐れて、ついついぐっと我慢してしまうことってありますよね。

ダメ出しをうまく活用できて、それが仕事や家庭生活を円滑にするのであればいいなっと思い購入してみました。

この本は、心理学的なデータを用いながら、仕事を円滑にしたり家庭で良好な関係を築いたりするためにダメ出しからイイ効果を引き出そうという題材で書かれています。

 

今回は、ダメ出しを仕事で活かすための3つの考え方をご紹介します。

 

①ダメ出しが有効な仕事

ダメ出しの力は悪いところに気づきをれを改善するところにあります。自分の判断で行動できるような自由度が大きい仕事であれば、ダメ出しを成長につなげやすいでしょう。しかし職務の内容や仕事の状況によっては、ダメ出しを改善に結びつけることが難しく、むしろダメ出しをされることが脅威になることもあり得ます。P.50

⇒本の中では、「自由度が高い仕事」「自由度が低い仕事」「ルーティン型の仕事」の3つに分けて、ダメ出しが有効な仕事、逆にダメ出しではなくイイ出し(褒めたりすること)のほうが有効な仕事をデータを用いながら述べています。非常におもしろい考え方ですね。単純に褒めるほうがいいとか、叱るほうがいいとかではなく、仕事の内容も考慮にいれるということです。確かにダメ出しをされると想定すると、そのダメ出しを活かして、さらに創意工夫して飛躍できる自由度があれば、へこまずにむしろ燃えるかもしれません。逆に、固定化されたある決まったやり方があり、それから外れているからダメ出しをされるのでは、創意工夫の余地がなくマイナスの感情が強くなるかもしれません。

 

②ダメ出し+解決策

「ダメ出しをして終わり」では、建設的な効果は望めないことがあります。部下はどうすればいいかわからない場合もあるので、改善に繋げるフォローが必要です。解決法を示すことは、職務明確化も動機付け・対人効果も高めることがわかりました。解決法が情報として重要であることに加え、そこまでフォローしてもらえることによって情緒的にも+の影響を受けるのです。言いっ放しではなく一緒に考える態度が大切なのでしょう。P.66

⇒自分が誰かにダメ出しをすることを想定すると、たとえ効果があるとわかっていても、やはり言いっ放しでは後味が悪く気が進まない気がすると思います。この本では、解決法を示すことでプラスの効果があることが紹介されています。

確かにダメ出しをするということは、その相手が良いやり方がわからないから行うのであって、本人は本当にどのように改善するか分からないかもしれません。単に悪いということを気付かせるのではなく、解決策や改善方法を提示することで良好な関係構築にも繋げることができます。

 

③ダメ出しをする側に必要な要素

分析の結果、人柄に対する信頼性のみがダメ出しの影響をプラス方向に引き上げました。ダメ出しによって職務を明確化できるのも、動機付けを高めたり上司評価を高めたりできるのも、人柄の良い上司だということになります。P.70

逆にいえば、能力がありさえすれば何を言っても聞き入れられるわけではないのです。職場は能力重視の場のようにも思われますが、実際には、人間関係の基盤としての人柄が重要なのです。P.70

⇒職場には様々な性格を持つ人たちが集まっています。どんな職場にも、仕事が出来るが性格がキツイという人や、性格はいいが仕事はちょっと・・、という人もいると思います。ここでは、どういう人からのダメ出しが効果があるのかということが述べられています。分析の結果からは、仕事が非常にできても、信頼できるに足る人柄がないと効果が薄いということが明らかになりました。

 

 

ダメ出しを仕事で活かすための3つの考え方をご紹介してきました。

なかなかダメ出しというのは難しいものですが、それを適切にすれば相手が成長したり、より良い関係を構築できるというのであれば使わない手はないですよね。

この本では他にも、「友人・知人」「夫婦」間でのダメ出しについても書かれています。様々なシーンで活用できることも多いので、是非読んでみてください!