HACK道

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『アイデアの接着剤』 水野 学

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どんな仕事においてもアイデアを出すことって必要ですよね。
仕事ができる人は新しいことを生み出すことができる人だと思います。
それは、新しいビジネスのアイデアのみならず、既存の業務をより効率的にするための改善案だったりすると思いますが、そんなアイデアをたくさん生み出せる人って特別な人なんでしょうか?

筆者の水野氏はアートディレクターとして、様々なプロジェクトのプランニングやブランディングを手がけ活躍しています。私は、広告関係に携わる人はものすごいクリエイティブで、アイデアマンなんだろうと思ってしまいます。しかし水野氏は「一度たりともアイデアを生み出したことはない」といいます。アイデアを生み出してこないで、こんなにもビックプロジェクトを手掛けることができるんでしょうか?

イデアを出すのに苦労をしている方に是非読んで欲しい一冊です。


■■■目次■■■

第一章 人と人
 接着剤その1:コミュニケーション
 接着剤その2:客観性と主観性のザッピング
 接着剤その3:「大儀」をもって仕事をする
第二章 知識と知識
 接着剤その4:「知識+知識」のイノベーション
 接着剤その5:「洞察力」を研けば「切り口」が変わる
第三章 ヒットの作り方
 接着剤その6:インプットの質を高める
 接着剤その7:時代の「シズル」を嗅ぎ分ける


■■■ポイント■■■

【アイデアのかけらを拾い集め、選び取り、組み合わせて、新しいアイデアをつくる方法】

①51:49で物事を見る
自分の判断や、自分が絶対だと思うことなんて、せいぜい51%くらいしか当たっていない。あとの49%は間違っていたり、思いもしない別のことだったりする。P.30
逆に言えば、どんなに権威がある人の意見でも、優れている人の話でも、的を得ている部分は51%だけかもしれません。P.31

→自分より経験のある人や、目上の人の話だとついついすべて正しいと思ってしまうことってありますよね。51:49の前提があれば、「果たして本当にそうだろうか?」と素直に鵜呑みにせずに、思考することができます。

②自分の中の客観性を鍛える
いったんクライアントの主観でとことん考えたら、ひょいと視点を変える。すなわち、今度は徹底した客観性をもった思考で、プロジェクトを眺めてみます。P.63
主観的に考えていたときには見えなかったことが、客観的になることではっきりと見えてきます。P.64

→これは常に意識していないと、なかなか難しいですね。クライアントが「AとBが欲しい」と言った場合、AとBはあくまでクライアントの主観です。普通ならば、「AとBに関して提案をしよう」となるかと思いますが、筆者は「クライアントが主観的に求めているもの=正解」ではないと考え、そこに客観性を加えて+αの提案をしようと述べています。
この視点を持っていると、提案の切り口や質が変わってきそうですね。

③知識の結合をイノベーションにつなげる
僕は決してひらめいているわけではありません。たぶん、普段から、膨大な量のアイデアのかけらを拾い集めているだけです。P.114
ひらめくのではなく、見つけだす。見つけだしたアイデアのかけらとかけらを接着してイノベーションとする。P.115

→これがこの本のキモとなる部分ですね。
ものすごいアイデアマンのような水野氏がこう言い切ります。
つまりアイデアとは、既にある知識や事象の組み合わせであるということ。
こう言われると「自分もアイデアを出せるのでは」と自信が出てきますね。
ではアイデアのかけらを集めるにはどうすればいいんでしょうか?
次でみていきましょう。

④大切なことは「なぜ、どうして?」
僕の場合、マーケティングよりも、自分自身の「なぜだろう?どうしてだろう?」を優先しています。それが仮説をつくる出発点であり、アイデアのかけらをより多く集めるために、欠かせない視点です。P.150
イデアのかけら-ありとあらゆる雑多な知識-を集めるためには、どんなことでも、よく観察しなければなりません。P.151

→日々生活をしていると、自分の「なぜだろう?」という気持ちが起こってもついつい仕事などに忙殺されて、それ以上調べるということをしない場合が多いです。ロジカルシンキングでも「なぜ?」を繰り返すことの重要性が言われていますが、アイデア創出にも有益ということですね。私は意見などを言うときに、思考の深みが浅い場合があるので、この姿勢を意識するのはとても重要だと思いました。


■■■所見■■■

水野学氏による「アイデアの接着剤」をご紹介してきました。
マーケティング分野に関わる方以外でも非常に有益な内容が盛りだくさんです。アイデアは既存の知識や事象の組み合わせということですが、そのような情報にいかに取り入れていけるかということが重要なんですね。好奇心が旺盛な人は自然と様々な情報が入ってくるわけですが、私は意識してやらないといけないなと思いました。そこでどんな小さなことでも、自分の心に少しでも響いたら記録していこうと思いました。記録することを意識していると、様々な情報って入ってくるんですよね。電車の中吊り広告、毎日の通勤の中の風景、歩いている人々の服装・・・などなど「なぜ?」を考える場面ってたくさんあるんですよね。この意識を継続してみようと思いました!

どうしたらよい「アイデア」を出すことができるのかと悩んでいる方は是非読んでみてください!